「マーチンゲール法をEAに入れると、やっぱり危険なの?」
「ナンピン・マーチンEAは破綻すると聞くけど、本当の原因はどこにある?」
そんな疑問を持つ方に向けて、この記事ではマーチンゲール法をEAに組み込んだ場合の挙動を実際に検証し、
“うまくいかないケース”と“成立する設計条件”の違いを整理します。
結論から言うと、
マーチンゲールそのものが問題なのではなく、設計が雑なまま使われることが最大のリスクです。
本記事は「マーチンは危険」と否定するための記事ではありません。
EAとして成立しない設計を可視化し、成立させるための考え方を理解するための“検証・整理記事”です。
- マーチンゲール法をEAに組み込むと何が起きるのか
- よくある「破綻するマーチンEA」の共通点
- 実際に検証して見えたリスクの正体
- 設計次第で結果が変わる理由
- 成立するナンピン・マーチンEAへの考え方
マーチンゲール法とは?EAで使われる理由
- 負けたらロットを上げる
- 勝ったときに一気に回収できる
- EAとの相性が良い(条件が数値化しやすい)
ここで一度フラットに評価します。
マーチンゲール法は、
EAで「使いやすい」=「安全」ではない。
EAにマーチンを組み込むと何が起きるのか
ここでは感情論を排除。
- 連敗時にロットが急増する
- 含み損の増加スピードが加速する
- 相場がレンジから外れた瞬間に耐久力が試される
👉 EAは裁量と違い、止まらない
検証:シンプルなマーチンEAを動かしてみた結果
検証条件(例)
- ロット倍増
- 最大段数制限なし
- 相場フィルターなし
- 損切りはロット回収前提
まず、マーチンゲール法がEAでどれほど急激にリスクを膨らませるのかを、 数値として把握しておく必要があります。
以下は、「負けるたびにロットを倍にする」という 最もシンプルなマーチンゲールを想定した場合の例です。
勝率50%・利確と損切りが同幅という前提では、 一見すると理論的に成立しているように見えますが、 EAではこの「連敗時のロット増加」がそのまま現実のリスクとして積み上がります。
| 連敗数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Lot数 | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 | 32 | 64 | 128 | 256 |
| 連敗する確立 | 1/2 | 1/4 | 1/8 | 1/16 | 1/32 | 1/64 | 1/128 | 1/256 | 1/512 |
ご覧の通り、連敗回数は1回ずつ増えるだけなのに、 ロット数は指数関数的に膨らんでいきます。
ここで重要なのは、 「9連敗の確率が低いかどうか」ではありません。
EA運用では、低確率でも一度起きれば即致命傷になるという点です。
この構造を理解せずにマーチンを組み込むと、 バックテスト上は綺麗でも、 現実の相場では“いつか必ず踏む地雷”を抱えたEAになります。
結果
では、この設計のままEAを実際にバックテストすると、 どのような結果になるのかを見てみます。
以下は、先ほどの条件(無制限ナンピン・ロット倍増・相場フィルターなし)で 動かした際のバックテスト結果です。
あくまで「破綻させるための検証」であり、 マーチンEA全体を否定する意図はありません。

グラフの前半を見ると、 一見すると非常に優秀なEAに見えるかもしれません。
しかし、一定の相場変化(トレンド化)をきっかけに、 含み損が急拡大し、そのまま回復できずロスカットに至っています。
これは「相場が悪かった」のではなく、 最初から想定外の相場に耐えられない設計だったという結果です。
👉 典型的な「マーチンは危険」と言われる挙動
なぜ破綻したのか?原因の整理
ここがこの記事の核です。
❶ 最大段数を想定していない
- 「どこまでナンピンするか」を決めていない
- = 最大損失が定義されていない
❷ ロット増加率が単純すぎる
- 毎回倍
- 相場状況を無視
❸ 相場フィルターが存在しない
- トレンド相場でも同じロジック
- レンジ前提の手法を全相場で使っている
👉 破綻理由は「マーチン」ではなく「設計」
マーチンゲール法が“問題になりやすい設計”
ここは箇条書きで明確に。
- 無制限ナンピン
- ロット上限なし
- 想定DDを把握していない
- 相場条件を限定していない
- 「いつか戻る」前提
では、どう設計すれば成立するのか?
ここまでを見ると、
「やっぱりマーチンEAは危険なのでは?」と感じたかもしれません。
しかし重要なのは、破綻したのは“マーチンという手法”ではなく、“設計が不完全なEA”だったという点です。
成立するナンピン・マーチンEAに必要な考え方
✔ 最大段数が明確
- 何段で止まるか決まっている
- 最大DDが計算できる
✔ ロット設計が段階的
- 単純倍ではない
- 資金量に対して現実的
なお、マーチンゲールの「ロット制御そのもの」をEAに実装する方法については、 過去に最小構成の関数レベルで解説した記事もあります。
※あくまで「仕組み理解・実装例」を目的とした内容であり、 本記事で解説しているような段数制限や相場フィルターを含まない点には注意してください。
✔ 相場条件を限定
- レンジ想定
- 時間帯・ボラ制限
✔ 想定外の相場では撤退する設計
- 「耐える」のではなく「切る」
ここまでの検証で見てきた通り、
マーチンゲールが破綻するかどうかは「使う/使わない」ではなく「どう設計するか」で決まります。
では実際に、
最大段数・ロット倍率・ナンピン幅・相場条件を明確に定義したナンピン&マーチンEAは、どのような構造になっているのか?
その具体例として、
当サイトで実際に検証・運用している「本格ナンピン&マーチンEAの設計例」を、
学習用サンプルとして公開しています。
この記事では、
・ナンピン段数・ロット倍率の設計方法
・GOLD(ゴールド)で動かす際の注意点
・ストキャス/RSIを使ったエントリー制御
・ナンピン・ロット管理ロジック(ソースコード一部)
など、「成立するナンピンEAの中身」を実装ベースで解説しています。
まずは、実際のEA構造を見ながら
「マーチンをどう設計すれば“壊れない形になるのか”を確認してみてください。
まとめ|マーチンEAは「危険」ではなく「設計勝負」
マーチンゲール法は、
使い方を誤れば確かに大きなリスクを伴います。
しかし、最大損失・段数・ロット・相場条件を明確に定義した上で設計されたEAであれば、
戦略の一つとして成立します。
重要なのは、
「勝ち方」ではなく「壊れない設計」を先に考えること。
本記事が、ナンピン・マーチンEAを正しく理解し、
設計視点で判断するための一助になれば幸いです。
✅ 今回のロジックをベースにしたEAサンプルも多数公開中
今回紹介したようなEAの売買ロジック・考え方をベースに、
当サイトではさまざまなFX自動売買EAのサンプルコードを公開しています。
ロジックの違いや設計の考え方を比較しながら、
自分に合ったEA構成を探したい方はぜひチェックしてみてください。
📊 EA運用・検証フェーズに進みたい方へ
今回のような仕組みを理解したうえで、
「実際にどのEAが安定しているのか」、「検証データではどんな差が出ているのか」
を確認したい方は、以下の記事も参考になります。
EA開発初心者向けに、今後も実践的に使えるMQL4関数や実装例を紹介していきます。
気になる機能やロジックがあれば、用途別に整理した関連記事もぜひあわせてご覧ください。










コメント
はじめましてすーやと申します。
私は現在、EAつくーるweb版を利用しています。いろいろと試行錯誤していますが、ひとつ思うように出来ない部分があり、プログラミングについて探している中、りょうさんのブログへと辿り着きました。
そこで、一つお聞きしたいのですが、マーチンゲール法を使用した際に、りょうさんのように掛け金と利確/損切り幅を連動させるにはどうしたらよいでしょうか。
例えば利確30pips損切り10pipsに設定していたとします。1Lotで始めた場合、利確30pips損切り10pips(利益30pips損10pips)になるかと思います。ここで負けて、次はマーチンゲール法により2Lotでエントリーします。この時、利確30pips損切り10pips(利益60pips損20pips)にしたいのですが、やり方わかりません。
EAつくーるの場合ですと2Lotの場合、利確15pips損切り5pips(利益30pips損10pips)となってしまいます。
収益でのpips数ではなく、価格幅で30pipsと10pipsにしたいのですが、どうしたらよいでしょうか。
文章がわかりにくい上、ぶしつけな質問申し訳ございません。
はじめまして、すーやさん。
すみません、現在EAつくーるは解約してしまったので詳しい事はわからないのですがやりたい内容は理解できました!
上記の内容でゴゴジャンラボに投稿すればゴゴジャンから回答が返ってくる内容だと思いますよ。
https://labo.gogojungle.co.jp/category/1/31
りょうさん即レス感謝いたします。
書き忘れていましたが、ゴゴジャンのQ&Aでは現在EAつくーるではその機能がないとのことでした。なので、一部自身でプログラミングを書き換えようと思って探していたところりょうさんのブログを見つけました。
りょうさんの設定条件を見ると自分がやりたかった掛け数に応じての利確/損切り幅の連動がされているようでしたので質問しました。
なるほど、できないんですね。
EAつくーるのマーチンゲールのソースコードで、利確15pips損切り5pipsとしている所を無理やり書き換えるのが手っ取り早いと思います。
が、私のソースコードとEAつくーるのソースコードでは結構違う作りなので探して書き換えるのは難しいかもしれません。
マーチンゲール機能をOFFにした時のソースコードとONにした時のソースコードを比較して調査する感じでしょうか。
レポート結果の詳細を見ると、そもそもマーチンゲールが機能していませんでした。また別の問題が発覚しました(汗
Q&Aでは同じ現象が起きている人がいて、早急になんとかしてほしいものです。
わざわざ返信ありがとうございました。