【FX初心者向け】移動平均線の使い方を徹底解説|SMA・EMAの違いと活用術

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移動平均線は、テクニカル分析の基本中の基本ともいえる指標です。初心者でも視覚的に相場の流れを把握できる優れたツールであり、裁量トレードでも自動売買(EA)でも多用されます。

この記事では、移動平均線の種類や基本的な使い方、SMAとEMAの違い、さらにはバックテスト結果やトレードへの活用法まで、FX初心者でも理解できるよう丁寧に解説します。

移動平均線とは?初心者にもわかりやすく解説

移動平均線とは、過去の一定期間の終値の平均をグラフ上に線で表示したもので、相場の「流れ」や「方向性(トレンド)」を視覚的に捉えるために使われます。

価格変動のノイズを減らし、トレンドの確認やタイミング取りに役立ちます。

「移動平均線」とひとことで言っても、実はSMA(単純移動平均)やEMA(指数平滑移動)など複数の種類があります。それぞれの特徴や違いを理解することで、より的確なチャート分析ができるようになります。

移動平均線の種類(SMA・EMA)

移動平均線の中にもいくつか種類があります。MT4で設定できるものとしてはこの4つです。

  • 単純移動平均線:Simple MA (SMAと略される)
  • 指数平滑移動平均:Exporential MA (EMAと略される)
  • 平滑移動平均線:Smoothed MA (SMMAと略される)
  • 線形加重移動平均:Linear Weighted MA (LWMAと略される)

代表的な移動平均線は以下の2つです:

  • SMA(単純移動平均線)
  • EMA(指数平滑移動平均線)

今回はこの2つの移動平均線について解説します。

それぞれに特徴があるため、目的やトレードスタイルに応じて使い分けることが重要です。

SMA(単純移動平均線)の特徴と見方

SMAは、指定期間の終値を単純に平均したものです。たとえば20SMAなら、直近20本の終値を足して20で割った値をプロットしていきます。

デメリット:反応が遅く、急なトレンドに乗り遅れることも

メリット:価格変動の平均的な動きを素直に表現

EMA(指数平滑移動平均線)の特徴と見方

EMAは、より直近の価格に重みを置いた平均線です。SMAよりも素早く価格変動に反応します。

デメリット:ダマシが増える場合がある

メリット:トレンドの初動に反応しやすい

SMAとEMAの違いをイメージで比較

SMAは「滑らかさ」、EMAは「反応速度」に優れており、以下のような違いがあります:

以下の図の薄緑の実線が24EMAで、薄青の点線が24SMAです。

EMAとSMAの比較図

大体同じところや、結構違いが出てくる部分がありますよね。

まず、EMAは単純に値動きに対して反応が速いです。何故EMAも24本のローソク足の平均値なのに反応が速くなるのかと言うと、EMAは直近のローソク足の終値を重要視して計算しているからなんです。25本前のローソク足で大きくガクッと下がっている部分がありますが、ここの終値はどんどんチャートが進む(新たなローソク足が出来上がっていく)につれて影響力がどんどん下がっていきます。なので、過去の下げよりも直近の上げが影響しやすくなるので反応が速くなります。

対して、薄青の点線のSMAを見てほしいのですが、線が上を向くまでの反応がEMAより遅いですよね。あと黄色〇の部分で一気にグンと上げています。直近のローソク足は特に大きく上げているわけではなく、むしろ上げ下げしています。一体何故でしょうか・・・?

SMAは2度吠える

それは、SMAの期間にからくりがあります。今回は期間24に設定しています。丁度26、25個前のガクッと下げたローソク足の終値が計算から一気に外れてくる部分が黄色〇の部分になってきます。従って、現在のローソク足は上げ下げしているだけですがSMAの平均値がグンと上がっているわけですね。

よく、SMAは2度吠えると言われたりするんですが、大きく値段が動いた場合SMAは動いた初っ端と期間(24)を過ぎて計算から抜ける部分でモロに影響します。この計算から抜ける部分でたいして上げてもいないのに上げたように見えるのが嫌だったので、私はEMAを使うようにしています。

だだし、値段が大きく動いていない場合(上記チャートだと、大きく下げる直前あたりは)EMAもSMAもあまり変わらない状態になります。

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移動平均線の期間について

移動平均線の期間はMT4だと以下の画像のように設定できますが、

パラメータ設定(期間)の図

この部分を21にすると21SMAとなります。この期間は20や21がメジャーなのでその値に近い設定にするのがベターです。自分なりに意図して設定値を変えて行っても問題ありませんが、殆どのブローカーのMAの設定値は20や21なので多くの人が20や21で相場を見ているという認識だけ持っておきましょう。

日足での20MAは“およそ1ヶ月分の平均”(営業日)を意味するため、多くのトレーダーが20前後の期間で見ています。

20と21で何かかわるの?というと殆ど変わりません。以下の図の薄緑の実線が20SMAで、薄青の点線が21SMAです。

20MAと21MAの図

20と21の違いを見てもらうとほんのわずか若干相違があります。20SMAは20個のローソク足の終値を全て足して20で割った(平均化した)値、21SMAは21個のローソク足の終値を全て足して21で割った(平均化した)値という計算になります。

移動平均線の基本的な使い方

移動平均線の基本を理解したら、実際のトレードでどう使うのかが気になりますよね。
ここでは、移動平均線を活用してトレンドの方向を見極めたり、エントリータイミングを判断する実践例を4つご紹介します。

1. 向きを判断してエントリー

移動平均線が上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドの可能性が高くなります。流れに沿ったエントリーを心がけましょう。

移動平均線の向きを表す図

移動平均線が下を向いたらショート方向に、上を向いたらロング方向にエントリーしていく感じ。

2. レジサポラインとして使う

価格が移動平均線に近づいた際に「反発」や「抜け」を確認することで、エントリーポイントを探る手がかりになります。

移動平均線を元に反発があれば、それを元にエントリーする。

移動平均線レジサポの図

移動平均線に反発している(上げ切れていない)のでショートエントリーで仕掛けていきます。

3. 乖離しすぎたらエントリーしない

価格が移動平均線から大きく離れている(乖離)場合、戻しのリスクがあるためエントリーを控えるのが無難です。

移動平均線乖離の図

上記の図のような感じの所は、移動平均線が下を向いているがショートエントリーしづらい所、移動平均線が上を向いているがロングエントリーしづらい所です。

できるだけ移動平均線に近い所でエントリーした方が戻りに巻き込まれる可能性は下がります。

注意:この方法は、レンジや反転に巻き込まれやすくなるというリスクがあります。

4. 複数の移動平均線でクロスを見る

短期線と長期線のクロス(ゴールデンクロス/デッドクロス)を見ることで、トレンド転換の兆しを掴むことができます。

移動平均線を複数使い、ゴールデンクロスでロングエントリー、デッドクロスでショートエントリーしたりします。

移動平均線ゴールデンクロスの図

ゴールデンクロス時は、こんな感じでロングエントリーします。

移動平均線デッドクロスの図

デッドクロス時はこんな感じでショートエントリーします。

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移動平均線を使ったバックテスト結果(USD/JPY 15分足)

実際に移動平均線が使えるのかどうかを検証しました。今回はゴールデンクロス、デッドクロスでの検証です。

検証条件・設定値

  • 通貨ペア:USD/JPY
  • 時間足:15分足
  • 使用指標:SMA20、SMA100
  • エントリー条件:SMA20がSMA100を上抜け(ゴールデンクロス)で買い、下抜け(デッドクロス)で売り
EA-移動平均線結果の図

検証結果とその分析

1ヶ月間のデータでバックテストを実施した結果、勝率は約53%、PF(プロフィットファクター)は1.10となりました。トレンドが明確な相場で効果が発揮される傾向にあります。

エントリー&決済ルールの詳細

  • エントリー:クロスが発生した次の足で注文
  • 損切りポイント:中期移動平均線から14pips分不利な場所
    ※ロング時は中期移動平均線の14pips下、ショート時は中期移動平均線の14pips上
  • 利確ポイント:損切りポイントから逆算
    ※損切りポイントがエントリー値から不利な方向に30pipsとした場合、利確ポイントはエントリー値から有利な方向に30pips

上記は、自動売買(EA)で検証しました。検証に使ったEAはこちら👇

移動平均線をトレードに活かすコツ

移動平均線を使う上で大切なのが「何日(時間)分の平均を取るか」という期間設定です。
ここでは、FX初心者にも扱いやすいおすすめの設定期間と、その意味合いについて解説します。

設定値の例と注意点

以下のような期間が一般的です。

  • 短期(20MA):スキャル・デイトレ向き、相場の勢いを捉える(月営業日が20)
  • 中期(50MA):トレンドの継続性判断(四半期営業日が200/4で50)
  • 長期(200MA):大きな流れの把握、押し目買い・戻り売りの基準(年間営業日が200)

注意点:移動平均線はとても便利なツールですが、万能というわけではありません。使い方を間違えると誤った判断をしてしまうこともあるため、期間の設定値はしっかりと意識しましょう。

設定値をいくらにしたらいいか分からないという方は以下の記事を参考にしてください👇

なぜ皆が見ているラインが重要か?

相場は「参加者の意識」が大きく影響します。
20MA、50MA、200MAなどの「みんなが見ているライン」は、集団心理による反応(反発・ブレイク)が起こりやすく、非常に信頼度が高いです。

まとめ:移動平均線をマスターしてトレード精度を上げよう

初心者が意識すべきポイント

  • SMAとEMAの特徴と違いを理解
  • 相場の流れを把握して無理のないエントリー
  • 他のテクニカル指標と組み合わせると精度UP

移動平均線はトレンドを分析する上でかなり重要なテクニカル指標になってきます。そして、そういった移動平均線を理解することで、『自分のトレードは移動平均線に合っているのか』『移動平均線に即したトレードになっているか』を見直すことが可能になると思います。



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