FXを始めたばかりの方が戸惑いやすいのが「スリッページ」という現象。
注文価格と約定価格のズレにより、思わぬ損失や利益になることも。
この記事では、
✅ スリッページの意味と仕組み
✅ 発生しやすい場面とその理由
✅ 設定方法と対応のポイント
について、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
スリッページとは?仕組みと意味を簡単に解説
スリッページとは、「注文した価格と、実際に約定した価格の差」のこと。
主に相場の急変動やサーバー処理のタイミングにより発生します。
📌 例:「1ドル=150円」で買い注文を出したのに、実際は「150.2円」で約定 → スリッページ0.2円
スリッページが発生するシーンと影響
新規注文時に起こるスリッページの例
経済指標の発表直後など、価格が一気に動くタイミングで注文した場合、希望した価格よりも不利なレートで約定することがあります。
✅ 特に「成行注文」はスリッページが発生しやすいです。
決済注文時にもスリッページは起こる
決済(利確・損切り)でも、価格の急変動があるとズレる可能性があります。
⚠️損切り注文時にズレると、予想よりも大きな損失になるケースがあるため注意が必要です。
スリッページ設定の基礎知識と注意点
設定値「1」はどうなる?【図解付き】
スリッページ設定値「1」は「0.1 pips」として処理されます。
📌 例えば、米ドル/円で107.522の所で注文ボタンを押すと約定が成立するか否かがこういう形で決まります:

許容範囲が現行のレート「107.522」より1つだけ不利な方向に許される形になります。かなり自分の思った通りのレートで約定されますが、既にレートが✖印のレートになってしまっている場合は約定されないので約定率は落ちます。
また、スリッページの設定値を「2」にすると許容範囲がロングエントリー、ショートエントリー共に1つづつ増えていきます。
✅ 有利な値段(決済者が得をする値段)での約定では、スリッページの制限が無いのもポイント!
スリッページを小さくするメリットとデメリット
✅ メリット:狙った価格に近い位置での約定が可能
⚠️ デメリット:ズレが許容されないため、**注文不成立(エラー)**になることも
相場が荒れているときにトレードをする場合は、スリッページ値は広めに設定すべきです。
状況に応じたスリッページ設定値の目安
相場状況 | 推奨設定値 | 備考 |
---|---|---|
通常の相場 | 1〜3(0.1〜0.3pips) | 標準的なトレードに適応 |
荒れた相場(指標発表など) | 10以上(1.0pips〜) | 約定率を上げるために拡大推奨 |
MT4でのスリッページ設定手順
スリッページは多くの取引ツールで調整可能です。ここではMT4での設定方法を紹介します。
ステップ1:オプション画面を開く
MT4のメニューから「ツール」→「オプション」をクリック

ステップ2:スリッページ値を設定する
「取引」タブを開き、価格誤差のデフォルトの設定で『デフォルトを指定』を選択し自分が許容できるスリッページの値(pips)を入力します。

最後に「OK」をクリックすれば設定完了!
✅ 初心者は「3(0.3pips)」前後からスタートするのがおすすめ!
EA(自動売買)でのスリッページ設定方法
自動売買(EA)プログラムでのスリッページ設定方法です。
OrderSend()関数で設定【新規注文時】
OrderSend(Symbol(), OP_BUY, 1.0, Ask, 3, 0, 0);
この「3」がスリッページの許容幅(0.3pips)です。
OrderClose()関数で設定【決済注文時】
OrderClose(OrderTicket(), 1.0, Bid, 3);
こちらも同様に、許容スリッページ幅を引数で指定します。
⚠️値が小さすぎると、注文エラー130(スリッページエラー)が頻発しやすくなります。
スリッページ設定の重要性|まとめ
スリッページは避けられない現象ですが、適切な設定と理解で大きな武器になります。
✅ 相場の動きに応じて、設定値を柔軟に調整
✅ 小さくしすぎると注文不成立が増えるリスクも
よくある質問とワンポイントアドバイス
Q. スリッページ値を「0」にしてもいいの?
⚠️ 実質、成行注文ではほぼ意味がないです。注文がほとんど通らなくなります。
✅ 目安として「1〜3」の範囲がおすすめ。
Q. EA運用ではどれくらいのスリッページが理想?
✅ 0.3〜0.5pips(設定値:3〜5)あたりが一般的
⚠️ 小さすぎると注文失敗の連続で正常に動作しません。
まとめ|スリッページは「管理」次第でリスクにも武器にもなる
スリッページはトレードに必ず付きまとう現象。
✅ 値動きの激しい時間帯
✅ 自分のトレードスタイル
に応じてうまくコントロールすれば、損失回避や戦略強化にもなります。
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