FXのスリッページについて

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はじめに

ここでは、FXをやっていると必ず耳にするスリッページについて解説します。

MT4やEAでのスリッページの設定方法についても解説していますので、スリッページの設定方法が分からないという方は是非参考にしてみて下さい。

スリッページとは

新規注文等で、為替相場の変動等により注文指定した(瞬間の)レートと実際に約定するレートとの間に乖離が生じる場合があります。これをスリッページといいます。
(顧客⇔FX業者⇔インターバンク市場での価格の乖離)

実際の例で言うと、米ドル/円で107.522の所でボタンを押してロングエントリーしたと思ったのに、指標発表と重なり107.622でロングエントリーされてしまったというような注文価格にズレが生じる場合があります。

これを回避し、105.622ではロングエントリーされないようにするのがスリッページ設定です。

スリッページの設定値を「1」とした場合は、「0.1 pips」として判断します。
※基本的にスリッページは0.1pips刻みですがFX業者によっては違うかもしれないので、ご自身が利用しているFX業者のマニュアル等を参照してください

米ドル/円で107.522の所でボタンを押してロングエントリーした場合、実際に約定するレートが

107.525   ×
107.524   ×
107.523   ○
107.522   ○
107.521   ○
107.520   ○

実際に約定するレートが107.524以上になってしまう場合は約定が成立しません(新規エントリー失敗となります)。

反対に米ドル/円で107.522の所でボタンを押してショートエントリーした場合で、実際に約定するレートが105.622となってしまった場合はどうなるでしょうか。これは、約定が成立します。

107.525   ○
107.524   ○
107.523   ○
107.522   ○
107.521   ○
107.520   ×

エントリーするユーザーにとって有利な方向の場合はスリッページは関係なくなるという事です。107.522でショートエントリーしようと思っていたのに、107.622でショートエントリー出来たという事はかなり有利ですよね!

決済注文時

上記は新規注文で説明しましたが、決済注文時も同様にスリッページの設定は生きてきます。

米ドル/円で107.355の所でボタンを押してロングエントリーを決済したと思ったのに、指標発表と重なり107.305(5.0pipsも不利な所)で決済されてしまったというような場合があります。

こういった事象を回避するため、スリッページの設定値を「20」等に設定すると

107.385   ○

107.356   ○
107.355   ○
107.354   ○
107.353   ○

107.335   ○
107.334   ×
107.333   ×

こんな形で約定されるようになります。

設定値の注意点

スリッページを設定する際、設定値は「1」が一番良いんじゃないの?と思われた方もいるかもしれません。実際「1」に設定すると、メリットとしては自分の思い通りの値段で新規約定されます。

が、デメリットとして値が上下に頻繁に動いている際(指標発表時等)は「1」だと全然約定されない(新規エントリーに失敗しまくる)ので気を付けましょう。新規注文や決済注文のタイミングを逃してしまう事もあります。

値が全然動いていない時は、設定は「1」でも良いですが値動きが活発な時は「5~20」までぐらいが良いと思います。

MT4でのスリッページ設定方法

MT4でも勿論スリッページを設定する方法があります。

MT4上で、『ツール』→『オプション』をクリックします。

以下の画面が表示されるので、『デフォルトを指定』を選択し設定値を入力し『OK』をクリックします。

スリッページの設定は以上で完了です。

EAでスリッページを設定する場合

EAでも勿論スリッページを設定できます。

新規注文する際は、OrderSend()の引数で設定し、決済注文する際はOrderClose()の引数で設定することが可能となっています。

さいごに

以上が『FXのスリッページについて』になります。

ドル円等であればそこまで意識する事は無いかもしれませんが、予期せぬ価格変動に備えスリッページの設定は必要だと思いますので、皆様も是非設定されてみては如何でしょうか。

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