はじめに
MT4でバックテストを回したとき、出てきたレポートの数字やグラフを見て「これって結局どう判断すればいいの?」と思ったことはありませんか?
バックテスト結果は、EAが本当に使えるかどうかを見極める最重要ポイントです。
前回の記事ではバックテストのやり方を解説しました。
👉 【初心者向け】MT4バックテストのやり方完全ガイド
今回はその続編として、バックテスト結果の確認方法と見るべき指標を整理して解説します。
この記事を読むと、
- 「勝てるEA」と「ダメなEA」の違いがわかる
- 数字やグラフからEAの弱点を発見できる
- 今後の改善・運用判断に役立てられる
ようになります。特に初心者の方は モデリング品質 / プロフィットファクタ / 最大ドローダウン の3つに注目すれば、迷わず判断できます。
🔍 バックテスト結果の確認方法
バックテストが完了したら、MT4のストラテジーテスター画面で「レポート」タブをクリックすると結果を確認できます。

このレポートには、EAの収益性・安定性・信頼性を判断するための指標が一覧で表示されています。
さらに「グラフ」タブでは資金推移を視覚的に確認でき、「結果」タブでは個々のトレード詳細を見ることができます。
📌 レポートで確認すべき重要な項目
バックテストレポートには多くの数値が並びますが、すべてを細かく覚える必要はありません。ここでは特に重要な項目を整理して解説します。
📌レポート内容で重要な項目に対しては【重要】と記載しています。
1. テストデータの信頼性に関わる情報

まずレポートの上段を確認してください。
バックテスト時のモデルを『全ティック』か『コントールポイント又は始値のみ』によって表記が少し変わる部分があります。
テストバー数
この項目は、バックテストを行った期間のバー(ローソク足)の本数です。あまり重要な数値でありません。
モデルティック数
この項目は、バックテストを行った期間のティック数(値動き数)です。あまり重要な数値でありません。
【重要】モデリング品質

テスト前の設定で、モデルを『全ティック』にしている場合、約90%になっているのが妥当な数値です。90%を大きく下回っている場合、チャートに抜けがある等の不備がありますのでチャートデータの修正が必要です。
『始値のみ』だとこんな感じになります。

【重要】不整合チャートエラー
テストに使用したチャートでエラーがある数になりますこの数値は少ない方がいいです。
あまりにも数値が多い(50を超えたりモデリング品質が90%を下回った)場合は、チャートデータに問題がある事になるので、ヒストリカルデータの取り直しが必要です。
2. EAの収益性に関わる情報

次にめちゃくちゃ重要な部分の情報です。
【重要】初期証拠金
こちらの初期証拠金ですが、デフォルトの設定では通貨単位が米ドルになっています。米ドルだと、あまりイメージが掴めないため、通貨単位を日本円に変更することもおすすめします。
以下の記事を参考に変更してみてください。
▶ EAのバックテストを日本円(JPY)で行う方法
スプレッド
バックテストした際のスプレッド値になります。
【重要】純益
全体でいくら稼いだかの金額です。
総利益 / 総損失
勝ちトレード合計と負けトレード合計です。
総損失
負けトレードになった際の合計金額です。
【最重要】プロフィットファクタ
総利益 ÷ 総損失の数値です。1.00より下の場合、損失のほうが大きいのでダメなEAということになります。基本は1.00よりも上を目指してEAを作ります。
したがって、プロフィットファクタの値が勝てるEAとしての最重要項目となります。
期待利得
1トレードの期待値です。例えばこの値が1000となっている場合、1トレードの期待値は1000円となります。
3. EAのリスクに関わる情報(ドローダウン)

次にEAの運用中の資金がどれだけ減ったかを確認する項目がドローダウンになります。以下3種類がありますが最大ドローダウンはおさえておきましょう。
絶対ドローダウン
EA運用開始時から、口座の初期資金がどれだけ減ったかの数値です。
例えば、500万円でEA運用を開始したとして、絶対ドローダウンが200万円という結果になった場合、EA運用中に資金が300万円にまで目減りしたという事になります。この状態に耐えれるかどうかを検討する項目です。
【重要】最大ドローダウン
EA運用開始時からEA運用終了時までで、一番資金が減った時の数値です。
例えば、500万円でEA運用を開始したとして、順調に700万円まで資金が増えている状態でしたが、そこから負けが続き大きく資金が減ったとします。最大ドローダウンが300万円という結果になった場合、EA運用中に資金が700万円→400万円にまで目減りしたという形になります。この状態に耐えれるかどうかを検討する項目になります。
相対ドローダウン
資金の減った割合が一倍高い数値です。参考程度でOK。
※最大ドローダウンを確認しておけば、こちらは特に確認する必要はない
4. 取引数や勝率に関わる情報

最後は取引数や勝率の情報になります。
【重要】総取引数
バックテストで行った総取引数の値です。取引数は多いに越したことはありません。個人的には、総取引数は最低でも1000ぐらいないと安心できません。
※プロフィットファクタが良いけど、総取引数が画像のサンプルのように総取引数が少ないと信ぴょう性はかなり低いです
【重要】売りポジション、買いポジション(勝率%)
売り買いのポジションがいくつあって、それぞれの勝率がいくらかという数値になります。例えば極端に売りポジションの成績が悪い等の場合は売りポジションのトレードを見直すなどを検討する事ができます。
勝率、負率(%)
売り買いのポジション関係なく全ポジションの勝率がいくらかという数値になります。
勝トレード、敗トレード、連勝、連敗等
上記以外の、この情報はあまり重要ではありません。これまでに説明した内容が良い場合ここも必然的によくなりますのでおまけ程度にしましょう。
📊 グラフの見方
バックテスト後に、「グラフ」タブを開くと資金曲線を視覚的に確認できます。

目視で、安定して「勝っている」「負けている」等を確認する事ができます。
- 理想は右肩上がりの滑らかな曲線
- 上下動が激しい場合は、ドローダウンリスクが大きい
- 多少ギザギザしていても、最終的に安定して利益が出ていれば問題なし
📋 結果タブの見方
バックテスト後に、「結果」タブをクリックするとバックテスト結果を確認することができます。

「損益」をクリックして損失順に並べ替える事も可能です。
また、バックテスト時に「ビジュアルモード」にチェックを入れてテストした場合、確認したいトレードをダブルクリックするとその損失があったトレード箇所(黄色枠部分)にチャート移動してくれます。

✅ まとめ|バックテスト結果はEAを見極めるフィルター
バックテスト結果を正しく読むことは、資金を守り、使えるEAだけを選ぶための第一歩です。
特に重要なのは以下の3つ:
- モデリング品質(90%以上推奨)
- プロフィットファクタ(1.0以上必須、できれば1.3〜2.0以上)
- 最大ドローダウン(許容できる資金リスク内か)
これらを基準にすれば、「勝てるEA」と「ダメなEA」を簡易的に仕分けできます。
さらに深掘りしたい方は、バックテスト無料分析ツール「Quant Analyzer」もおすすめです。
👉 Quant Analyzerの使い方と導入手順
また、利益があまり出ないEAであったとしても、大量にトレードするEAであればスプレッドを見直す(低スプレッドのFX業者で運用する)だけで利益はかなり出るようになりますので、海外ではなく国内FX業者等を検討するのも重要です。
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