「チャートを読めるようになりたい」「どこでエントリーすればいいかわからない」
そんなFX初心者が最初に身につけるべき知識が“ダウ理論”です。
この記事では、ダウ理論の基本から、実際のチャートにどう活かせるかまでをわかりやすく解説。
「トレンドはいつ終わる?」「今がエントリーチャンスかどうか?」の判断力を養いたい方はぜひ参考にしてください。
ダウ理論とは?100年以上愛されるチャート分析の基本
ダウ理論は、チャールズ・ダウによって100年以上前に提唱された、チャート分析の原点ともいえる理論です。「トレンドに乗れ」とはよく言われますが、その“トレンド”を定義づける根拠のひとつが、まさにこのダウ理論。
この記事では、ダウ理論の6つの基本法則や、実際のエントリーでどう活かすかをFX初心者向けにわかりやすく解説します。
ダウ理論の6つの基本法則とFXへの活かし方
チャールズ・ダウが提唱した理論は、以下の6つの法則にまとめられます。
これらはFXの売買タイミングを考える上でも非常に重要な考え方です。
法則1:価格はすべてを織り込む
市場に出ている価格には、あらゆる情報(経済指標・政治ニュース・投資家心理など)がすでに反映されているとする考えです。
つまり、チャートの動きを分析するだけで未来の動向をある程度予測できるという前提になります。
法則2:トレンドは3種類ある
ダウ理論では、トレンドには次の3種類があるとされています:
- 主要トレンド(長期):数ヶ月〜数年続く大きな流れ
- 二次トレンド(中期):主要トレンドの中で発生する調整や戻し
- 小トレンド(短期):日々の値動きレベルの小さな動き
FXでは、この3つの視点を使い分けてトレードを組み立てることが大切です。例えば小トレンドで見ると

5分足では下降トレンドですが4時間足で見てみると・・・

上昇トレンド中のわずかな下げだったということも良くあります。
ここで大事なのは、トレンドは大きいものの中に小さなトレンドが形成されているこということで、見方によって変わるという事です。
法則3:主要トレンドは3段階で構成される
主要トレンドは次のような3段階で形成されるとされます:
- 先行期:一部の投資家が買い始める
- 追随期:多くの投資家が流れに乗る
- 利食い期:利益確定で売りが増える

エントリーや利確のタイミングを判断する際に、今がどの段階かを見極めることが鍵になります。
法則4:平均は相互に確認されなければならない
複数の市場が同じトレンドを示していることが重要です。FXで言えば、ドル円とドルインデックスなど。
法則5:出来高はトレンドを確認する
価格の動きに対して、出来高が伴っているかどうかがトレンドの信頼性を判断する基準になります。
※FXでは出来高が見えにくいため、ティックボリュームを参考にします。
法則6:トレンドの転換は明確なシグナルが出るまで継続する
「トレンドは継続するもの」とされ、明確な転換シグナル(高値・安値の切り下げなど)が出るまではポジションを維持する判断が基本とされます。
明確なシグナルというのは、簡単に言うと高値の更新と安値の切り上げになります。

上記のような感じで、高値の更新と安値の切り上げが行われている場合は上昇トレンドが継続とします。そして、高値が切り下がった⑤高値、安値が更新された⑤安値より下の部分(青線の部分から)トレンド転換が発生しています。上記の場合、かなり大雑把に線を引いておりますが、もっと細かくみても結構この高値の更新と安値の切り上げで上昇トレンドを形成しています。
※下降トレンドは、高値の切り下げと安値の更新になります
ダウ理論を使ったエントリーポイントの見極め方
ダウ理論の法則を知っていても、「どこでエントリーすればいいの?」と悩む方も多いはず。
ここでは、実際のチャートでよく見られるパターンとダウ理論の組み合わせで、エントリーポイントを絞る方法を紹介します。
ダブルトップやダブルボトムとの組み合わせ
ダブルトップ(天井2回)やダブルボトム(底2回)は、トレンド転換を示す代表的なパターン。
これらが高値・安値の更新に失敗している状態で現れた場合、トレンド終了のサインとしてエントリーを検討できます。
たとえば、上昇トレンド中に高値更新が止まり、ダブルトップが出た場合は、下降トレンドへの転換を意識して売りを狙います。
チャート上でどのように判断するのか、ここでクイズ形式で確認してみましょう。
【問題】
下図①②③を見てダブルボトムと判断しないものが1つあります。どれかわかりますか?

正解は①です。この形はダブルボトムとして判断するのはまだ早いです。
理由は簡単で、①は安値が切り下がっています。なので、まだダウントレンドが継続しているのではないかと警戒するため、この場合はダブルボトムが形成されたという形では見ないです。

また、②か③であればどちらが良いか?という場合であれば③の方が上がる可能性が高いダブルボトムという風に位置付けています。理由は、②は安値の切り下がりは止まっただけですが、③は安値を切り上げているためです。
ダブルトップの場合の判断も全く同じでこの逆バージョンになります、高値を更新したダブルトップの場合はダブルトップとして判断しないとしています。
三尊(ヘッドアンドショルダー)との組み合わせ
三尊(ヘッドアンドショルダー)もトレンド転換の強いシグナルです。
中心となる“ヘッド(頭)”が最も高く、両サイドの“ショルダー(肩)”が低い形状を描くチャートパターン。
このパターンが主要トレンドの“利食い期”に出ると、売りエントリーの好機と判断できます。
逆に、逆三尊が出た場合は買いエントリーを検討します。
またまたクイズ形式で確認してみましょう。
【問題】
下図①②③④を見てヘッドアンドショルダー(三尊)として一番エントリーしやすいものはどれかわかりますか?

正解は④で、この形はヘッドアンドショルダー(三尊)として一番いい形ではないかと思っています。
理由は、④の場合のみ前回の安値を既に切り下げているからです。一番駄目なのは②でこれは高値を切り上げているので駄目という判断にしています。①や③も最終的には安値を切り下げるので良いのですが、④に比べると少しエントリーポイントが遅くなります。

私は、大体黄色〇の箇所でエントリーします。ダウ理論の通りに行くならば①③の場合は安値を切り下げを確認する必要があるので黄色〇のエントリー部分が少し遅れています。しかし、④に関しては既に安値を切り下げているので高値の切り下げを確認した後であればエントリーしています。ヘッドアンドショルダー(三尊)のセオリーは①③のタイミングでエントリーですが、私は④のタイミングで入っていっても全然OKで好きなパターンです。

ダブルボトムや三尊も結局はダウ理論の6である
ダブルボトムや三尊について見ていきましたが、結局はダウ理論の6(トレンドの転換は明確なシグナルが出るまで継続する)を知っていればほぼ説明がつくと思います。つまり、ダウ理論の6を知っていれば、ダブルボトムや三尊を知っていなくてもトレンドの転換点がわかるという事です。
何となくダブルトップに見える、三尊に見えるという理由でエントリーするのではなく、高値を更新して安値も切り上げたからロングエントリー、高値を切り下げて安値を更新したからショートエントリーという形にして、そこに付加価値としてダブルボトムになっている・三尊になっているという見方をするようにしています。
まとめ|ダウ理論を活かして勝率アップを目指そう
ダウ理論は、トレンドを理解し、エントリーやエグジットの根拠を持つために欠かせない考え方です。
- チャート分析の基本に立ち返りたい
- 感覚でトレードしてしまいがち
- エントリーが遅れる・早すぎると悩んでいる
そんな方は、ぜひ一度ダウ理論を取り入れてみてください。
一貫したルールに基づくトレードができるようになり、トレードの精度が上がるはずです。
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