FXを始めるとき、多くの初心者が最初に悩むのが「どの通貨ペアで取引すればいいのか?」という点です。値動きの大きさ、スプレッドの狭さ、情報の取りやすさなど、通貨ペアにはそれぞれ特徴があります。本記事では、その中でも「米ドル/円(USD/JPY)」をおすすめする理由と、通貨ペアの選び方の基本を初心者向けにわかりやすく解説します。
通貨ペア選びがFXで重要な理由とは?
FXでは、どの通貨ペアを選ぶかによって、利益の出やすさやリスクが大きく変わってきます。初心者のうちは「どれも同じように見える」かもしれませんが、実はそれぞれ値動きのクセや取引コストが異なります。だからこそ、適切な通貨ペアを選ぶことがFXの第一歩なのです。
通貨ペアによって値動きやスプレッドが違う
例えば「米ドル/円」と「ポンド/円」では、1日に動く値幅や急変動の頻度がまったく違います。また、マイナー通貨ほどスプレッド(売値と買値の差)が広く、コストが高くなります。初心者にとっては、安定性がありスプレッドが狭い通貨ペアが有利です。
同じ時間の値動きの様子は以下の通り、米ドル/円が360pips動く間にポンド/円は610pips動いている事がわかります。
米ドル/円の1日の値動き

ポンド/円の1日の値動き

スプレッド一覧
代表的なFX評者のスプレッド一覧です。どこも米ドル円のスプレッドが一番狭い事がわかります。
FX業者名 | 米ドル円(USD/JPY) | ユーロ円(EUR/JPY) | ポンド円(GBP/JPY) | 豪ドル円(AUD/JPY) | ユーロ米ドル(EUR/USD) |
---|---|---|---|---|---|
A社 | 0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.6銭 | 0.4pips |
B社 | 0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.6銭 | 0.4pips |
C社 | 0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.6銭 | 0.3pips |
初心者が最初に覚えるべき「3つの基準」
通貨ペア選びで見るべきポイントは以下の3つです:
- 値動きが穏やかで予測しやすい
- スプレッドが狭いこと(取引コストが低い)
- 情報が豊富に手に入る(ニュースや分析)
この基準を満たす通貨ペアは限られており、その代表格が「米ドル/円」です。
FX初心者におすすめの通貨ペア3選
ここでは、FX初心者でも扱いやすいおすすめの通貨ペアを3つ紹介します。それぞれの特徴や注意点もあわせて確認しましょう。
米ドル/円(USD/JPY)がおすすめな理由
取引量が世界一で、国内FX業者でも最も重視されている通貨ペアです。スプレッドが最も狭く、約定力も高いため初心者に最適。日本に住んでいると経済指標や政策も追いやすく、相場の理解がしやすい点も魅力です。
ユーロ/円(EUR/JPY)の特徴と注意点
ユーロも流通量が多く、値動きも比較的安定していますが、米ドル/円と比べてややスプレッドが広めです。欧州の経済ニュースに注意する必要があり、初心者はやや情報収集が手間になる場合もあります。
ユーロ/ドル(EUR/USD)はどうか?
世界で2番目に取引量が多いペアで、分析情報も豊富です。ただし、ドル・ユーロ両方の経済動向を把握する必要があるため、日本在住の初心者にはやや難易度が高いかもしれません。
米ドル/円の具体的なメリット
ここでは、なぜ「米ドル/円」が初心者にとって有利な通貨ペアなのかを、3つの観点から具体的に解説します。
1. スプレッドの狭さがコストを抑える
国内の主要FX業者では、米ドル/円のスプレッドが「0.2銭前後」と非常に狭く設定されています。取引のたびにかかるコストが低いため、利益を伸ばしやすく、取引回数が増えても安心です。
2. 値動きが安定していてトレードしやすい
他の通貨ペアと比べて、米ドル/円は突発的な値動きが少なく、テクニカル分析が効きやすい特徴があります。過去のチャートパターンも豊富で学習にも最適です。
3. 国内FX業者との相性が良い
日本のFX会社では、米ドル/円に最適化されたサービスが整っています。スワップポイントや注文スピード、チャートの精度など、安心して使える環境が整っているため、初心者でもスムーズに取引を始められます。
FXで追証リスクを抑えるには?
「追証(おいしょう)」とは、証拠金が足りなくなったときに追加で資金を入れなければいけない状態のこと。FXではこのリスクを管理することも重要です。
米ドル/円は追証が起きにくい理由
米ドル/円は値動きが比較的安定しているため、急激な変動によって証拠金が一気に減るリスクが低くなります。想定外の損失を防ぎやすい通貨ペアと言えるでしょう。
レバレッジ・維持率の目安と管理法
初心者は最大でも10倍以下のレバレッジを推奨。証拠金維持率は常に「300%以上」を意識し、ポジション量は少なめにするのが安全です。ロスカットルールや損切りの設定も重要です。
フラッシュクラッシュなど過去の事例も確認
記憶に新しいのは2019年1月3日に発生した「フラッシュクラッシュ」など、深夜に起こる突然の急落です。米ドル/円でも4円近く一気に急落しました。
ここ20年で発生した瞬間的な値動きの一覧です。
日付・イベント | 値幅 | 内容 |
---|---|---|
2023年12月7日 | 約250〜300pips(=2.5〜3円相当) | USD/JPYが150円到達後、1分以内で250〜300pipsの急落 |
2019年1月3日 | 約400pips(=約4円相当) | (フラッシュクラッシュ)5分以内に400pips以上の急落 |
2015年8月24日 | 約500pips(=約5円相当) | 数分で急落し、121円台後半→116円台前半へ。 |
2010年5月6日 | 約500pips(=約5円相当) | 93円台から88円台への急落。 |
約5円の値動きが4~5年に1度ありますが、この場合仮に決済できなかったとしても追証になる事はありません。
※日本国内のFX業者は最大レバレッジ20倍かつ自動ロスカット制度があるため、追証リスクは低めといえます
初心者は通貨ペアを絞って「慣れ」よう
いろいろな通貨に手を出す前に、まずは1つの通貨ペアに集中して「慣れる」ことが大切です。
1通貨ペアを極めるメリット
特定の通貨ペアを繰り返し見ることで、チャートパターンの読み取りが上達します。また、ニュースや経済指標の影響も実感しやすくなり、トレードスキルの土台を築けます。
イベントや指標の影響も把握しやすくなる
経済カレンダーで重要なイベントをチェックする習慣も身につきやすくなります。たとえば「米雇用統計」や「日銀の金融政策」など、米ドル/円に関わる指標はニュースでも取り上げられやすいため、初心者でも情報を得やすいです。
まとめ|まずは「米ドル円」から始めよう
通貨ペア選びはFXの第一歩です。初心者にとっては、スプレッドが狭く、情報も豊富で、値動きも穏やかな「米ドル/円」が最適と言えます。焦らずに一つずつ知識を積み重ねて、まずはこの通貨ペアからスタートしてみましょう。
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