EA(自動売買プログラム)をChatGPTで作成・改良したら、
次に行うべきは「バックテスト」と「最適化」です。
どんなに優秀そうなロジックでも、実際の過去チャートで利益が出なければ意味がありません。
この記事では、MT4を使ってChatGPT製EAの性能を検証する手順を、初心者向けにわかりやすく解説します。
ChatGPTでEAを作ったら「検証」が必須な理由
ChatGPTでEAを作成すると、コードは一見正しそうに見えます。
しかし、過去チャートで検証してみると想定外の結果になることも珍しくありません。
例えば:
- エントリー条件が想定より多くトリガーされている
- 決済条件が発動しない(損切りが機能しない)
- 一部の通貨ペアで異常なパフォーマンス
こうした問題は、**バックテスト(過去データ検証)**で発見できます。
つまりバックテストは、EAを「使えるツール」に進化させるための最重要ステップです。
バックテストとは?仕組みと目的を理解しよう
バックテストとは、過去のチャートデータを使ってEAを仮想的に運用し、利益率や勝率などを検証する方法です。
MT4(MetaTrader4)には「ストラテジーテスター」という機能が標準搭載されており、
EAを読み込むだけで、過去データに基づいた自動売買の動作を再現できます。
テストを行うことで:
- EAが想定どおりのロジックで動いているか
- どの通貨ペア・時間足で強いか
- 損益曲線(Profit Graph)の安定性
を可視化できるため、EAの信頼性を数値的に評価できます。
MT4でEAをバックテストする手順
STEP1:EAファイルをMT4に設置する
ChatGPTで生成・コンパイルしたEA(.ex4ファイル)は、
MT4の「MQL4 → Experts」フォルダに配置します。
※ すでにコンパイル済みでフォルダに生成されている場合は、この手順はスキップしてOKです。
MT4を再起動して、ナビゲーター内の「エキスパートアドバイザ」にEAが表示されれば準備完了です。
STEP2:ストラテジーテスターを開く
MT4画面下の「ストラテジーテスター(Ctrl+R)」をクリック。
テスターの設定画面が開きます。
STEP3:テスト条件を設定する
テストでは、通貨ペア・期間・初期証拠金などの条件を設定します。
設定方法や「モデル」「可変スプレッド」などの詳細項目については、
👇こちらの記事でわかりやすく解説しています。
▶ 【初心者向け】MT4バックテストのやり方完全ガイド|ストラテジーテスターの使い方も解説
STEP4:テスト結果を確認する
バックテスト完了後は、損益グラフや統計データをチェックします。
EAの安定性やドローダウンなどを確認し、改善ポイントを見つけましょう。
👇 結果の見方や評価方法も、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶ EAのバックテスト結果の確認方法|初心者が見るべき指標と判断基準
テスト結果の見方と重要指標(勝率・PF・DD)
EAを評価するうえで注目すべき指標は次の3つです👇
指標 | 内容 | 理想値 |
---|---|---|
勝率(Win Rate) | 取引のうち勝ちトレードの割合 | 55〜70%程度 |
PF(プロフィットファクター) | 総利益 ÷ 総損失(1.5以上が目安) | 1.5〜2.5以上 |
最大ドローダウン(Max DD) | 口座残高の最大下落率 | 20%以下が理想 |
📊 PFが高くDDが低いEAほど安定性が高いです。
また、グラフが滑らかで右肩上がりになっているかも重要です。
EAを最適化してパフォーマンスを向上させる方法
バックテストでEAの挙動を確認した後は、
**最適化(パラメータチューニング)**を行いましょう。
🔧 最適化とは?
EAの変数(例:RSI期間・移動平均期間・利確pips)を自動的に組み合わせてテストし、
最も成績の良い設定値を探す機能です。
👇最適化の詳しいやり方についてはこちら
▶ EAのバックテスト最適化ガイド|MT4でのやり方と注意点
🔹 MT4で最適化する手順
- ストラテジーテスターで「最適化」にチェックを入れる
- パラメータ入力画面で「開始値」「終了値」「ステップ値」を設定
- 「スタート」をクリックすると、MT4が自動的に全パターンを検証
🔹 ChatGPTを活用した最適化サポート
ChatGPTに以下のように聞くことで、
最適化対象のパラメータ候補や合理的な範囲を提案してもらうことも可能です👇
「RSI期間・EMA期間・ATR倍数を最適化したいです。
推奨の範囲とステップを教えてください。」
ChatGPTは以下のように回答してくれます。
パラメータ | 開始値 | 終了値 | ステップ |
---|---|---|---|
RSI期間 | 10 | 30 | 2 |
EMA期間 | 20 | 80 | 10 |
ATR倍数 | 1.0 | 3.0 | 0.5 |
ChatGPTを使ってバックテスト改善を自動化するコツ
バックテスト中に「結果が安定しない」「利益は出るがドローダウンが大きい」
といった課題が見つかることがあります。
そんな時も、ChatGPTに結果を共有することで改善が可能です👇
「このEAのバックテスト結果ではPF1.2、DD35%でした。
DDを20%以下に抑えるには、どの条件を調整すればいいですか?」
ChatGPTは次のように提案してくれます。
- ボラティリティ(ATR)を加味したロット調整
- トレイリングストップによる早期利確
- ボリンジャーバンドなどの相場フィルター追加
つまり、テスト→相談→修正→再テストというサイクルをChatGPTと組むことで、
AIが「ロジック改善パートナー」として機能します。
まとめ:ChatGPT×MT4でEAの完成度を高めよう
ChatGPTでEAを作成したら、バックテストと最適化が実践の第一歩です。
テストで課題を洗い出し、ChatGPTで修正しながら精度を高めることで、
自分だけの“勝てるEA”を構築できます。
- バックテスト=EAの性能を客観的に測るステップ
- 最適化=EAのパラメータを自動で改善するステップ
- ChatGPT=EA改良サイクルを加速させるAIパートナー
この3つを組み合わせることで、EA運用のスキルが一気にレベルアップします。
➡️ 次の記事: 【MT4対応】ChatGPT×EAを実運用する方法|VPS選びから稼働まで完全ガイド(STEP5)
📊 さらに詳しい手順を知りたい方へ
MT4でのバックテスト設定やヒストリカルデータの準備、最適化パラメータの設定方法などを
より体系的に学びたい方は👇
👉 【完全ガイド】EAバックテストのやり方・最適化・ヒストリカルデータ活用まとめ
こちらで、バックテストの全手順を画像付きで詳しく解説しています。
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