Quant Analyzerの使い方と導入手順|MT4では見えない弱点まで分析できる

Quant Analyzerの使い方と導入手順を解説するアイキャッチ画像。デグー講師と分析グラフのイラスト。
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MT4でバックテストをしていて、「勝率やPFだけではEAの弱点が掴めない…」と感じることはありませんか?
実はバックテスト画面だけでは、負けやすい時間帯・特定相場でのドローダウン・複数EAの合成リスクなど、重要な要素が見えないままです。

そこで役立つのが、無料で使える分析ツールQuant Analyzer(クオンツアナライザー)
MT4レポートを読み込むだけで、時間別・曜日別の損益、年ごとのPF、DDの集中度、EA同士の相性まで一気に可視化できます。

この記事では、Quant Analyzerの特徴、導入手順、使い方、活用例までを初心者向けにわかりやすく解説します。
EAの弱点を正確に把握したい方は、ぜひ活用してみてください。

📘 この記事でわかること
  • Quant Analyzerの特徴(無料で使える機能)
  • MT4レポートを読み込んで分析する方法
  • 時間別・曜日別・年別の成績の読み解き方
  • ドローダウン集中やEAの弱点の見つけ方
  • 複数EAを合成した時のリスク評価方法
  • 分析結果をもとにEAを改善する手順例

👉 バックテスト全体の流れや最適化・データ選びまでまとめて知りたい方は、まずこちらをご覧ください: 【完全ガイド】EAバックテストのやり方・最適化・データ活用まとめ


Quant Analyzerとは

Quant Analyzerは、MT4のバックテストやリアルトレードのレポートをもとに
さらに深くEAの成績を分析できる外部ソフトです。

MT4のレポートでは見えない

  • 月別、日別、時間別でのパフォーマンスのブレ
  • 期間ごとのドローダウンの集中度
  • 複数EAを合成したときの全体のリスク
    などを多角的にチェックできるのが最大の特徴。

海外ではEA開発者の定番ツールとして有名で、
複数EAを組み合わせてポートフォリオ管理を行うトレーダーに特に重宝されています。

月別、日別、時間別でのパフォーマンスのブレ確認

私がQuant Analyzerを使っている主な目的として、この期間での損益確認です。

期間というのは、年であったり、月、日、時間や曜日といった期間です。例えば、早朝の勝率が圧倒的に悪いといったことがQuant Analyzerを使う事で見えてくるわけですね。

Quant Analyzerで時間帯別の損益を表示した分析画面
※Quant Analyzerで時間毎に確認した図ですが、18時~24時の利益が悪いことがわかります

また、年単位のプロフィットファクターも確認する事ができるので、極端に成績が悪い年が一目瞭然なのでそう言った側面からの分析を行う事もできます。

Quant Analyzerで年別のPFと結果を比較したグラフ
※近年凄い負けている事がわかりますね!

最大損益をソート確認できる

私がQuant Analyzerを使っている目的として、この最大損益をソート確認できる機能です。

MT4のバックテスト結果でも一応ソートはできるのですが、指値や逆指値の注文を頻繁に使うEAの場合はソートしても結果が変更注文だらけになるので見づらいです。その点、Quant Analyzerは変更注文は基本出てこないので最大損益の確認がしやすく、ソートできる項目も多いです。

損益をソートして最大利益・最大損失を確認できる画面
※各項目をクリックすることで昇順・降順を切り替えることができます

Quant Analyzerの導入手順

アカウント作成

まず、Quant Analyzer公式に移動してアカウントを作成しましょう。

『Free Version』ボタンをクリックします。

Quant Analyzerの無料版ダウンロードページの画面

名前、メールアドレスを入力し『Create an account for FREE』ボタンをクリックします。
※メールアドレスは後から承認メールが届くため、受け取れるメールアドレスを入力してください

Quant Analyzerのアカウント作成フォームの入力画面

しばらくすると、以下のようなメールが届くと思いますので赤枠のURLをクリックします。

Quant Analyzerのアカウント確認メールの画面

ダウンロード

OSのビット選択画面が表示されますので、自分が利用しているOSに合わせたバージョンをクリックしてください。

Quant AnalyzerのOS選択ダウンロード画面
※クリックすると、Quant Analyzerのセットアップファイルがダウンロードされます

インストール

次に、ダウンロードされた「QuantAnalyzer_X.XX.XX.exe」を起動します。
※X(数値)の部分はバージョンなので気にしないでOKです

「I accept…」を選択し、「Next」をクリックします。

Quant Analyzerセットアップ開始画面(ライセンス同意)

この後、インフォメーション、セットアップ先、スタートメニューやデスクトップにアイコンを作成するか等を決める画面が出てきますが、基本全て「Next」で問題ありません。

最終確認画面では、「Next」ボタンだった箇所が「Install」ボタンに切り替わっているので「Install」ボタンをクリックします。インストールが完了すると、「Finish」ボタンをクリックしセットアップ画面を閉じます。

セットアップ画面を閉じると、Quant Analyzerが立ち上がりますので(立ち上がらなければ自分でデスクトップのアイコンから立ち上げてください)ライセンスキーを入力し「Verify License」をクリックします。
※ライセンスキーは送られてきたメールに太文字で記載されています

Quant Analyzerのライセンスキー入力画面

以上でインストールは完了です。

Quant Analyzerのインストール完了画面

2回目以降のQuant Analyzerの立ち上げ時は、以下のような画面が出てくるので「Continue」をクリックして立ち上げて下さい。

Quant Analyzerの起動時の初期画面(Continueボタン)
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Quant Analyzerの使い方

冒頭で述べていたような、Quant Analyzerを使ってバックテスト結果を確認する方法です。

1.MT4でバックテスト結果を出力する

まず、MT4のバックテスト結果をQuant Analyzerへロードしてあげるために、MT4のバックテスト結果を出力(ファイル化)する必要があります。

まず、MT4でバックテストを行い、「レポート」タブをクリックし、レポート画面で右クリック→『レポートの保存』をクリックします。

MT4のバックテストレポートを保存する操作画面

これで、htm形式でレポート結果をファイル化できます。

Quant Analyzerにバックテスト結果をロードする

次に、Quant Analyzerの画面で「Load Report」をクリックします。

Quant Analyzerのレポート読み込み画面

先ほどMT4で出力したファイルを選択し「OK」をクリックします。

レポートファイル選択ダイアログの画面

レポートファイルがQuant Analyzerに読み込まれるので、バーが最後まで行ったら「Continue」をクリックします。

レポート読み込み時の進行バー表示画面

以下のように、MT4のバックテストと同じ情報がQuant Analyzerに表示されます。

Quant Analyzerの分析ダッシュボードの初期表示画面
※この画面にならないようなら、左端のアイコンが並んでいる箇所の「Analyze」をクリックしてください

ここまでできれば、後はバックテスト結果をじっくりと確認していく形となります。

詳細な結果を確認していく

Quant Analyzerの画面で詳細結果を確認する方法です。

Trade analysis

Trade analysisタブで年別成績を表示した画面

赤枠の「Trade analysis」タブをクリックすると、年毎のプロフィットファクター等の成績や日毎、時間毎の成績を確認していくことができます。
※初期表示は全年トータルの結果が表示されています

解析方法の例として、まず上記の画像でいくと2017年~2020年がマイナスです。中でも2020年はかなり負けているため原因を探っていきたいと思います。

2020をダブルクリックすると、右側の棒グラフや円グラフが2020年の結果に切り替わります。

日別損益グラフを表示したQuant Analyzer画面

次に、2020年のどの月で負けているのかを確認するため、棒グラフや円グラフ上段の「P/L by day」のようになっている箇所をクリックし、「P/L by month」を選択します。

月別損益(P/L by month)を選択する画面
※このように見たいデータを選択できる部分は合計6か所あるので自分好みにアレンジしましょう

すると以下のように、月単位の成績を確認する事ができます。

月別損益グラフが表示された画面

3月と4月に大きく負け越していますね。この時期は、おそらくコロナウイルス関連の相場の乱高下や停滞の時期なのでそこで負けているというわけですね。

ここからのアプローチ方法としては、3月及び4月のトレード内容をMT4のバックテストでビジュアルモードを使って実際に確認していくという作業になります。そして、修正が必要であれば修正するといった形となります。

List of trades

List of tradesタブでトレード履歴を表示した画面

赤枠の「List of trades」タブをクリックすると、実際のトレード内容を確認する事ができます。解析方法の例としては、損失の大きい順にソートし、一番損失が大きいトレード内容を見直して行く事ができます。

また、「Time in trade」欄を見るとポジションを何時間(何日間)保有していたかもわかるので、何日も損切りできていないようなトレードを優先的に確認していくといった方法を取ることもできます。

損益順にソートされたトレード履歴画面

「Profit/Loss」タブをクリックすることで、損失の大きい順や利益の大きい順に並び変える事ができます。損失が大きくなった原因を確認していき、もっと早く損切りできなかったのか?等を確認する事ができます。

「Open Time」や「Close Time」からトレードした日を確認する事ができます。トレード内容をMT4のバックテストのビジュアルモードで確認していきエントリーすべき所だったのか、損切りポイントを早く出来なかったのかなどを確認していきましょう。

Quant Analyzerの活用例

Quant Analyzerを使ってEAの修正例を実践してみたいと思います。

今回は、プロフィットファクタが1.05のEAを使ってプロフィットファクターを上げてみようと思います。

EA修正前のパフォーマンスを示す分析画面

まず、Quant Analyzerの「Trade analysis」画面で問題点を確認します。

時間帯別損益でマイナスが集中する箇所の分析画面

全ての年の結果を時間単位「P/L by hour」を選択し確認すると、18時~0時の結果(青枠の箇所)が非常に悪い結果となっている事がわかります。ですので、この時間帯はトレードしないようにEAを改良します。

改良後、バックテスト結果はこんな感じになりました。

EA改良後のパフォーマンスが向上した画面

青枠の部分はトレードを一切しないようになっています。そうする事で、プロフィットファクターも1.21になり成績が大きく向上した事がわかります。

これはあくまで一例ですが、根拠ある時間の絞り込み(深夜帯による取引量の低下等)は良いと思いますがあまり意味のない絞り込みはカーブフィッティングという形になってしまうので注意が必要です。

まとめ

以上、『Quant Analyzerの使い方と導入手順』でした。

Quant Analyzerは
「MT4では見えない弱点を発見できる無料分析ツール」
です。

EAのリスクを事前に知りたい方や
ポートフォリオ単位での管理を考えている方には
とても相性のいいツールです。

まずは無料版で試してみて、
気になるEAのクセをしっかり分析してみてください。

📘 バックテストをもっと深く理解したい方へ ▶ バックテスト完全ガイド(まとめ記事)

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