EAの性能を確かめるうえで欠かせないのが「ヒストリカルデータ(過去のチャートデータ)」です。
しかし実は、このデータの提供元によってバックテスト結果がまったく変わることをご存じでしょうか?
同じEA・同じ設定でも「右肩上がりになるケース」と「利益が伸びないケース」があるほど、ヒストリカルデータの違いは大きな影響を与えます。
この記事では、
FXTF・メタクオーツ・アルパリ・デューカスコピーの4社を実際に比較し、
どのヒストリカルデータが最も信頼できるのかを検証します。
ヒストリカルデータとは?
ヒストリカルデータとは、過去の価格変動を記録したチャートデータのこと。
EA(自動売買)を作成・検証する際に使用し、過去の相場でどのような成績を出せたかを確認できます。
しかし、データ提供元によって「時間軸」「レートの小数点精度」「スプレッド設定」などが異なるため、バックテスト結果にズレが生じることがあります。
🔗 初心者向け関連記事:
バックテストのやり方と注意点|EA検証の基本ガイド
主要4社のヒストリカルデータ比較
EA検証に使える代表的なデータ提供元は以下の4社です。
提供元 | 特徴 | データ形式 |
---|---|---|
FXTF | 実際の取引サーバーに近い。リアル運用の再現性が高い | CSV |
メタクオーツ社(MetaQuotes) | MT4公式が配布。ワンクリックで取得可能だが、精度は低め | 自動取得 |
アルパリ(Alpari) | リアル口座の価格に近く精度が高いが、やや上級者向け | 自動取得 |
デューカスコピー(Dukascopy) | 精度は高いが、時間軸にズレあり。上級者向け | hst |
それぞれの入手方法や詳細手順はこちら👇
- MT4でヒストリカルデータを取り込む方法(FXTF)
- MT4でヒストリカルデータを取り込む方法(メタクオーツ)
- MT4でヒストリカルデータを取り込む方法(Alpari)
- MT4でヒストリカルデータを取り込む方法(DUKASCOPY)
同一EAでバックテスト比較
同じEA・同じ期間(例:USDJPY 2024年8月〜2025年8月)でテストを実施。唯一の違いは「ヒストリカルデータの提供元」です。
EAには、以下のサンプルを使用しました👇
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バックテスト結果
結果を見ると、FXTFとDukascopyではPFが0.3近く違うなど、
同一EAでも明確な差が出ることが分かります。
特に、スプレッドやティック精度が高いデータほど、
より現実的な結果に近づく傾向があります。
結果が異なる理由を分析
ヒストリカルデータの違いが結果に影響する主な要因は3つあります。
- 価格データそのもののズレ
→ ブローカーによって配信される価格が微妙に異なる。 - スプレッド・ティック精度の差
→ エントリーや決済のタイミングが変化。 - データの欠損・補間方法の違い
→ ローソク足形成に微妙な誤差が生じ、損益が変動。
こうした小さな違いが積み重なることで、EAの勝率やプロフィットファクターが大きく変化します。

どのデータを使うべきか?
おすすめは、実際に使うFX業者のチャートに近いデータを使うことです。
理由は、バックテストとリアルトレードの差を最小限にできるため。
たとえばFXTF口座でEAを運用している場合、
FXTFまたはAlpariのヒストリカルデータを利用すると、現実的な挙動を確認できます。
一方、「EAのロジック傾向を理論的に検証したい」場合は、
MetaQuotes社の公式データもおすすめです。
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【無料】MT4バックテスト用ヒストリカルデータ4選
まとめ:ヒストリカルデータの違いを理解してEA精度を高めよう
- 同じEAでもデータ提供元によって結果は大きく変わる
- 「使用口座に近いデータ」を使えば、バックテストと実運用の乖離が小さくなる
- 精度検証だけでなく、**フォワードテスト(実際の相場での挙動確認)**も併用することが重要
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